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2014年2月1日土曜日

年間1円だって稼いでない それでも私はライターだ

 ある友人が言いました。

「お前は小説家になるために努力しとるやん。それやったらワナビーちゃうやろ」

 それは、とても暖かくて間違った言葉でした。

 ワナビーの語源は「want to be」。
 「~になりたい」という意味の英語です。
 しかし日本においては(或いは発祥の地、アメリカにおいても)、侮蔑的な意味で使われることが多い言葉です。小説家でもないのに、それを目指しているというだけであたかも経験者であるかのように知ったか振る人――そんな人を指して、「ワナビー」と呼ぶのです。

 言葉の使われ方が間違っている? いえ、そんな小さいことを言うつもりはありません。そもそも世間一般にそういう使われ方をしているなら、語源よりもそちらの意味が正しいということになるでしょう。

 私の言いたいことはもっと込み入っていて、……単純なことかも知れませんが、とにかく、私は友人に嘘をついていました。

 ライター業で月1万稼いでいる、とか。

 まさか本当は、年間で1万しか稼いでいなくて、それすらも交通費などに消えていったなどと、言えるはずもありません。

 どうしてでしょう。文章は人一倍書いてきたつもりです。本業の合間を縫って、休み時間、早朝、深夜……。
 でも最近は、面接に立て続けに落ちて、なぜか筆も進まなくなって、

 そう、だから私は、ワナビーです。

 自分で自分をワナビーだと認めることは、果たして前進なのか後退なのか? しかし認めようと認めまいと私はワナビーで、それを認めることはある種の自己啓発になると私は考えています。
 ワナビーだから、ワナビーじゃなくなりたい。want to be じゃなくて、be なんだと。

 そう強く言える私でありたいと、願っています。

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