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2017年12月31日日曜日

グループポリシーは簡単には元に戻せない

ほとんどのグループポリシーは、[未構成]と[有効]と[無効]の3つから選ぶ形になっていて、初期値は[未構成]です。

グループポリシーを設定する場合は、これを[有効]か[無効]に変更する訳ですが、ここで気をつけないといけないことがあります。

それは、一度クライアントPCに適用されたグループポリシーは、簡単には元に戻せないということです。

普通に考えれば、[有効]か[無効]に変更したポリシーを[未構成]に戻すだけでいいのではないかと思えます。しかしどうやら、そうではないようなのです。

一例として、ポリシーAを[有効]に設定して、それを全クライアントPCに浸透させた場合を考えてみます(浸透という言い方は嫌がられることが多いみたいですが、私は気に入ってます)。

これをすると、ポリシーAに対応するクライアントPCのレジストリ値aが、[有効]の設定で上書きされることになります。この時、レジストリ値aの設定が元々どうだったのかは、クライアントPCでは記憶してくれていないようなのです。

記憶してくれていないので、ポリシーAを[未構成]に戻したところで、レジストリ値aが元に戻ることはありません。[有効]のままとなってしまいます。

これを元に戻すには、一度ポリシーAを[無効]に設定して、それが全クライアントに浸透した頃を見計らってから、ポリシーAを[未構成]にするという手順が必要になります。

しかし、この手順には問題があります。例えば100台のコンピュータがあるドメインにおいて、そのうち50台はレジストリ値aを[有効]にしていて、残り50台は[無効]にしていたとしたら、どうでしょう。

この場合、ドメインコントローラ側でどうグループポリシーをいじったとしても、どちらか半分の50台の設定は変わってしまうことになります。それを直すには、手作業で一台一台変えていく他ありません。

こういった事情を踏まえて考えると、グループポリシーを変える時はより慎重に、出来ることならテスト環境などを準備して、そこで十分なテストをしてから適用したほうがいいと言えるでしょう。



……ただ、個人的に少し不満を言わせてもらうと、グループポリシーなんていうかなり古くから存在する機能において、こんな不可逆で不便な仕様になっているというのは、ちょっと納得いきません。[未構成]の時の状態をクライアントPCにしっかり残しておいてほしいものです。言っても詮無いことですが。

グループポリシーをユーザーグループに適用できない原因

WindowsServerでユーザーのグループに対してグループポリシーを割り当てたい時って、あると思います。

普通に考えれば、GPO(グループポリシーオブジェクト)の[スコープ]タブの[セキュリティ処理]に、そのユーザーグループを追加するだけでいいんじゃないかと考えます。

しかし私がそれをしてみたところ、GPOのアクセス拒否とかなんとかで、適用されませんでした。

色々思考錯誤してみたところ、どうやらスコープにユーザーグループを追加する他に、[委任]タブにユーザーグループの上位に当たるもの(Usersとか)を追加しないといけないようです。

ちなみに、[スコープ]へUsersそのものを追加した場合(つまり全ユーザーへグループポリシーを適用する場合)は、自動的に[委任]のほうへもUsersが追加されるので、この手順は必要ありません。

もちろん、ユーザーのグループを[スコープ]へ追加した場合にも、同じようにそのグループは[委任]のほうへも追加されているのですが、なぜかグループに委任をしてもアクセス権限的には効果がないようで……この辺りの理屈は、私自身もまだよくわかっていません。

何にせよ、GPOの[スコープ]にユーザーのグループを追加する時は、[委任]にUsersを追加する、と覚えておけば良さそうです。

そもそもの話というか、私が色々なWeb記事を読み漁ったところでは、ユーザーのグループにグループポリシーを割り当てる手順というのが丁寧に書かれた記事は、あまり見当たりませんでした。

もしかしたら、一部のユーザーにグループポリシーを割り当てたい場合は、OU(オーガニゼーションユニット:組織単位)を使用するほうが一般的な手法なのかもしれません。こちらのやり方なら、あちこちに参考記事が見つかりました。

確かにOUでポリシーを割り当てたほうが、グループポリシーの管理画面でも階層別に分けられて、視覚的に分かりやすくなる気がします。ユーザー構成的に融通がきくようであれば、グループをOUに置き換えてもいいかもしれません(グループじゃないと出来ない分け方もあるとは思いますが……)。

2017年12月30日土曜日

WindowsServerとMSAccessは相性最悪

WindowsServerでフォルダーリダイレクトとオフラインファイルを併せて使用すると、デスクトップなどのファイルがリアルタイムでサーバ上へ保管されるようになります。

これは大変便利で使い勝手の良い機能なのですが、これを有効にしてしまうとMicrosoftAccessは極端に使い辛くなるというデメリットがあります。

MicrosoftAccessは、中小企業向けに作られたデータベース管理システムです。中小企業向けなので、データ通信のパフォーマンス効率はあまり良くありません。言い方を変えると、頻繁にたくさんのデータをやり取りするのです。

MicrosoftAccessのこの仕様を理解しているユーザーは、MicrosoftAccessファイルをローカル領域にコピーしてから使用することがよくあります。ローカル領域とはつまり、デスクトップなどのことです。

しかし、フォルダーリダイレクトとオフラインファイルを併せて使用している場合、デスクトップはサーバ上の領域という扱いになります。デスクトップにMicrosoftAccessファイルをコピーして使用しても、サーバで使用しているのとまったく同じ、遅い動作になってしまうのです。

だからと言って、同期センターでデスクトップをオフラインモードに変更してしまうと、MicrosoftAccessは最適化が出来なくなります。これについては、Microsoftサポートページにもはっきりと「仕様による動作です」と明記されています。
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/2834831

もちろん、デスクトップをオンラインで使用するのなら、最適化は問題なく成功します。しかしこれでは前述の処理速度の問題が解決しません。

また、オフラインファイルの機能を使用していると、MicrosoftAccessを開いたり閉じたりした際に「別のユーザーが使用しているため保存できません」という旨のエラーメッセージが出て、そして実際に保存できていないという事象が頻繁に発生するようです。

これらのことを総合的に考えると、MicrosoftAccessを使用するためにはオフラインファイルは使用してはならないという結論に落ち着きます。MicrosoftAccessによるシステムを導入する際には、必ず念頭に置いておきたい事柄です。

これらの問題に対する解決策として、フォルダーリダイレクト+オフラインファイルの代わりに移動ユーザープロファイルを使うという手があります。

リアルタイムで同期を行うフォルダーリダイレクトとは違って、移動ユーザープロファイルはログオン/ログオフの時にしか同期をしません。また、OSのバージョンが変わるとユーザープロファイルが引き継がれないという問題があります。

この2点にさえ目をつぶれば、移動ユーザープロファイルでもある程度の要件は満たせます。MicrosoftAccessがどうしても外せないのであれば、こちらも検討の余地があるのではないでしょうか。



【2018/01/11 追記】

MicrosoftAccessはDFSレプリケーションとも相性が悪いことが分かりました

レプリケーションの真っ最中にファイルを開いたり閉じたりすると「…は、既に使用されているので、使用できません。」というエラーメッセージが表示されて、度々最適化に失敗します。

レプリケーションのスケジュールを編集して、MSAccessを使用していない時にレプリケーションするように調整すれば、この問題は回避できます。

しかし前述の問題にしてもそうですが、どうもMicrosoftさんから「複雑なネットワークを構成するならMSAccessはやめなさい」と言われているような気がしてなりません。

2台目のDHCPサーバをインストール・開始するには

WindowsServerで冗長構成にしたい場合、DHCPではフェールオーバー(フェイルオーバー)という設定を行います。

フェールオーバーの設定をするには、前提条件として両方のサーバのDHCPサービスが開始されている必要があります。

しかしWindowsServerの仕様上、1台目のDHCPサーバが稼働しているドメイン内で、2台目以降のサーバにDHCPをインストールしたりサービスを開始することはできません。それをしようとした場合、「別のサーバー 192.168.x.x を検出しました」というようなエラーが記録されます。

この問題を回避するには、2台目のサーバを一度ドメインから切り離さなくてはなりません。私の場合、2台目のサーバからLANケーブルを引き抜くことで対処しました。

順序立てて説明すると、次のようになります。

① 1台目のサーバでDHCPを構成する(スコープなどもすべて設定しておく)

② 2台目のサーバにWindowsServerをインストールして、DHCP以外の構成は済ませておく。このとき、もちろんドメインには参加する

③ 2台目のサーバのLANケーブルを引き抜く

④ 2台目のサーバで[役割と機能の追加]を使ってDHCPをインストールする

⑤ DHCPサービスが正常に開始されていることを確認してから、LANケーブルを接続する

⑥ フェールオーバーの設定をする

注意点として、⑤でLANを繋いでから⑥でフェールオーバーが完了するまでの間、DHCPは機能しなくなります。

それはつまり、ドメイン内の固定アドレスを割り振られていないクライアントPCはすべてネットに繋がらない状態になるということです。

また、フェールオーバー構成では、サーバを再起動する際にも注意が必要です。

ActiveDirectoryの大抵のサービスは、OSを立ち上げると自動的に開始されます。

しかしDHCPサービスは、1台目のサーバが存在するせいで2台目がサービス開始できないという現象が起こります。

これも上記の手順とほぼ同じように、LANケーブルを抜いてから手動でサービスを開始するという手順が必要になります。

① サーバを再起動する

② LANケーブルを引っこ抜く

③ [サービス]でDHCPServerを開始する

④ LANケーブルを接続する

再起動の場合は、フェールオーバーの設定は必要ありません。LANを繋ぐだけです。LANを繋いだときにクライアントPCがネットに繋がらなくなることもありません(多分)。

再起動後にこの手順を行わなかったとしても、DHCPサービスそのものは1台目のほうで正常に稼働し続けます。単にフェールオーバーが機能しないだけであり、1台目が動き続ける限りは問題ありません(これも多分)。



◆ 注意書きという名の保険 ◆

私はインフラ専門のエンジニアではありません。

サーバ構築を始めてから1カ月程度なので、ここに書いたやり方が正しいやり方なのかどうかもよくわかっていません。

正直言って、このLANを引き抜くというやり方には自分でもかなりの雑味を感じています。コンセントを抜いてシャットダウンするのに近いレベルのことをしているのではないかという不安が拭い去れません。

しかし、私が数時間Web上を彷徨って調べた範囲では、2台目のDHCPサーバをインストールしてサービス開始する方法はどこにも書かれていませんでした。フェールオーバーの解説をする記事には、まるで出来て当たり前のことのように「DHCPをインストールします」とだけ書かれていました。

私自身が、エラーの内容から独自に試行錯誤した末に辿り着いたのが、上記のやり方です。もし、これよりももっとスマートに、例えばリモートデスクトップ接続による操作だけで再起動できる方法などをご存知の方がおられましたら、教えていただけると大変助かります。

2016年5月25日水曜日

テレビで録画したBD(ブルーレイ)の動画をパソコンで見たい

 お久しぶりです。泉野戒です。前回の記事からざっと一年振りぐらいでしょうか?

 今回の記事はタイトルの通り、「テレビで録画したブルーレイをパソコンで見たい」と、そう思って奮闘した内容をお話させていただきます。先に結論を言うと、見ることはできませんでした。ただ、なぜ見ることができないのか、なんとなーくわかった気がしたので、その辺りを主眼に置いた話になるかと思います。

 予め断っておきますが、私はこの問題についてさして詳しい訳ではありません。リッピングもAACSも、つい昨日までは言葉すら知りませんでした。そんな私が一日かけて調べたあやふやな内容が、この記事になります。その点、ご容赦ください。

 ではまず初めに、私がどういう状況で何をしたかったのか、そこを具体的に話しておきます。

 タイトルでは「テレビで録画したブルーレイをパソコンで見たい」と言いましたが、それは正確ではありません。正確には、「テレビで録画したブルーレイを一般的なパソコンで見られる形式に変換したい」です。私は、私が持つパソコン以外のパソコンでブルーレイを再生する必要があったのです。

 当初私は、ブルーレイのデータをパソコンに丸ごとコピーして別のディスクに焼き直せばいい、ぐらいの感覚でいました。誠にお恥ずかしい限りです。もちろんそんな簡単な話ではありません。

 地デジで録画したデータをブルーレイに焼いた場合、コピーガードというものが自動でかかります。その名の通り、コピーできないようになります。いえ、厳密に言うとコピーはできるのですが、データが暗号化されているので普通の方法だと視聴できません。

 暗号化と言われると、「解除すればいいんじゃないか」なんて考えてしまうのは我ながら悪いところですが、この暗号化はかなり強固なもののようで、容易には解除できないようです。私自身よく理解できていませんが、暗号化を解除しても、しばらくすれば自動的にアップデートされて、その解除方法が使えなくなるようです。

 まあそんな説明を聞いても実際のところしっくり来なかったのですが、私が実際に「難しいんだなあ」と実感したのは、その暗号化を解除するソフトウェアの少なさを知ったときです。ざっと見た限りだと、3つほどしか見つけられませんでした。これだけ需要が高そうなのに、3つしか見つけられないというのは脅威です。

 更にこれらのことを調べていてわかったのですが、どうやらコピーガードを掻い潜ってコピーする行為は違法になるようです(当たり前)。

 いえ、コピーする行為が違法と言っても、私的利用ならいいんじゃないかと思っていたんです。でもそれは間違いでした。私的でも、日本だと違法なんです。じゃあ3つぐらい見つかったソフトウェアは何なんだということになりますが、まあ多分(多分)、海外製なのでしょう。

 コピーが駄目でも再生するだけなら違法じゃないんじゃないかと思って軽く調べたら、どうもセーフっぽい気がしました。そこで、こららの記事を見てやってみました。が……

 パソコンが駄目だったのかドライブが駄目だったのかディスクそのものが駄目だったのか。大方は正常に視聴できるのですが、たまに映像が繰り返されたり音がズレたりして、上手くいきませんでした。そもそもこの方法だと、自分のパソコンでしか再生できません。当初の目的から外れているので、私は早々に断念しました。

 この方法どころか、私はこの時点で完全に諦めました。パソコンで視聴できるようにすることを、です。諦めたのでもう試していないのですが、最後の手段としてキャプチャーという手段があると思います。

 これまた法律の隙間を縫う(もしかしたら縫えてない)ような手法ですが、上記の方法でパソコンで再生して、その画面と音声を記録する、という手法です。なんかもうここまで行くと、法律に引っかかろうと引っかかるまいと後ろめたさしかないので、私はやっていません。

 テレビ番組を作るのも大変にお金がかかることですから、その程度の不便は我慢しようというのが、私の結論でした。

2015年1月22日木曜日

OCNモバイルONEと050Plusを使ってみた

 OCNモバイルONE(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/)では、スマホ、iPhoneのSIMカードを購入・契約することができます。

 これを上手に活用すれば、普通でも月額1,600円。最低ランクに落とせば月額1,200円にすることができます。この値段はもちろん、電話・メールの基本料金と、パケット通信料を合わせた値段です。

 auやSoftBank、docomoなどの大手携帯ショップでスマートフォンを契約した場合、その月額料金は大体7,500円ほどです。それが1,200円になるのですから、6分の1まで落とせるということになります。ガラケーよりも安いです。

 しかしこんな話を聞かされても、大抵の方は、「そう上手い話があるものか。何かウラがあるんじゃないか?」と、そう思われるのではないでしょうか。

 そして実際その通りで、この契約には色々な制限や、手間がかかってきます。今日は、その辺りを重点的に説明したいと思います。



【注意!】

・ここに書いた価格や料金は、すべて目安程度に捉えてください。
・この記事を参考にして何か損害が発生したとしても、責任は取りません。購入や契約は、すべて自己責任でお願いします。



〇 携帯本体をどうやって手に入れるか


 まずこれが、最初の課題です。

 色々な手段がありますが、ここではわたしが思いつく方法を、3つほど挙げてみたいと思います。


⇒ OCNモバイルONEで本体を購入する場合


 携帯ショップで契約すれば、本体をタダ同然の値段で手に入れることも難しくありません。これは、月々のパケット料金を払う代わりに、携帯本体の値段を割り引いてくれるからです。

 しかしOCNモバイルONEには、それほど充実した割引サービスはありません。

 わたしが軽く見たところでは、月々2,000円の2年払いが一番手頃なところでしょうか。通信料などと合わせると3,000円を少し超えるぐらいになります。(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/device/#tablet

 種類にしても、大手携帯ショップのそれと比べると、少ししかありません。

 もちろん、月々7,500円よりは格段に安いですし、他の手段と比べて格段にわかりやすい方法ですから、スマホ初心者の方にもオススメできるルートです。


⇒ 今持っている本体を流用する場合


 たとえば、au、SoftBank、docomoなどですでにスマホを購入して持っている人は、その携帯をそのまま使うことができます。

 ただしこの場合、携帯本体がSIMフリーでなくてはなりません。このSIMフリーというのがかなりややこしくて、しかも携帯ショップで聞いても明確な回答を貰えないことがほとんどですから、ご自分でインターネットを駆使するなりして調べてもらうしかありません。

 仮に本体がSIMフリーだったとしても、新しい機種を契約してからあまり年数が経っていない場合などは、残りの機種代金を払う必要があります。

 携帯ショップとの契約内容にもよりますが、携帯本体の支払いが完了するのは、機種を変えてから2年後が主流です。これを待たずに解約すると、残りの本体料金を払わなくてはなりません。

 こちらに関しては、携帯ショップで教えてくれますので、自力で調べられないようでしたら、行って聞いてみるのがいいでしょう。


⇒ オークションで購入する場合


 安く購入するなら、やはりネットオークションです。
最低ランクでいいなら、10,000円ほどで競り落とすこともできます。

 ただし購入する前に、それがSIMフリーであることを必ず確認してください。特にauの場合、SIMロッククリアというよく似た言葉が存在しますから、auどうしのSIMカード交換が可能なだけではなく、他社のSIMカードにも対応した機種であることを確認してください。


  * *

 ちなみに、OCNモバイルONE以外で機種を入手した場合、どうやらアクセスポイントの変更をしないといけないようです。少なくとも、私はそうでした。

 具体的な設定方法については、携帯の機種によって異なりますので、調べてみてください。携帯の機種名を確認して、機種名+「アクセスポイント」でウェブ検索してみるのがいいと思います。

 他にも、SIMカードが携帯のどこに入っているか、標準SIMかマイクロSIMかなど、調べなくてはならないことがいくつかあります。SIMフリーにするということは、そういう手間がかかるものだということを、覚悟しておいてください。



〇 電話とメールについて


 OCNモバイルONEにおいて、最も不自由しなくてはならないのがこの電話とメールです。


⇒ 1,200円+通話料の場合


 このコースは、厳密に言うと900円のコース(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/data/)+ 050Plus(http://050plus.com/lp/lp_ip/05/?wapr=54c074c9)なのですが、これをすると、電話はパケット通信で電話することになりますし、メールはパソコン用のメールになります。

 まず電話ですが……、皆さん、LINE電話はご存知でしょうか? 050Plusは、LINE電話と同じように電話用の電波ではなく、ネット通信用の電波で電話をします。

 LINE電話との違いは、自分専用の番号が貰えることです。そのため、相手がガラケーや固定電話であっても、電話できます。

 ただし、LINE電話とは違って通話料金があります。基本使用料の月々300円(ただしOCNモバイルONEとの同時契約なら150円)と、通話時間に応じた料金を払わなくてはいけません。

 050Plusの通話料金は、かける電話によって料金が大きく異なるため、ここでは省きます。わたしの場合、元の契約と比べると、通話料金はだいたい半分でした。

 音質は、正直あまりよくありません。電波の状態にもよりますが、声がよく途切れます。また、自分の話した声が相手に聞こえるまでの時間(ラグ)が、普通の電話と比べて長い気がします。

 あと、SMSは使えません。SMS対応のSIMパッケージを買えばそれもできますが、月額料金が100円高くなります。

 次にメールについてですが……

 OCNモバイルONEで契約すると、OCNメール(http://service.ocn.ne.jp/mail/webmail/)のメールアドレスが無料で付与されます。

 ただしこのメールは、先ほど言ったようにパソコンのメールです。GメールやYahooメールと同じようなものですね。

 これだと何が困るのかと言いますと、例えば相手がパソコンのメールに対して迷惑メールフィルターをかけていると、メールが届きません。相手から送られる分には受け取れますが、一方通行です。

 あとは、同期設定や通知設定が面倒だというのもあります。

 OCNメールは、それ専用のアプリなどが存在しないため、自分の携帯からメールサーバーへ常に問い合わせをするように設定しなくてはなりません。これは、POPなどのちょっとには理解しにくい設定も含まれます。

 私はこれがうまくできず、なぜか相手がメールを送ってから何時間もあとに通知が来るという現象が頻発したため、今はもうOCNメールはほとんど使っていません。


⇒ 1,600円+通話料の場合


 1,600円の場合とは、音声対応つきSIMを使った場合のことです。私は実際にこれを使ったことはないので、ここではOCNモバイルONEのウェブサイト(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/voice/#voice_ability)を見て知ったことを書かせていただきます。

 まず先にメールについてですが、OCNの音声対応SIMについて説明されたページには、メールに関して特筆すべきことは書かれていなかったため、おそらく1,200円の場合と変わっていないのだろうと思われます。パソコンメールで何とかするしかない、ということですね。

 追加料金によって改善されるのは、電話のほうです。

 どうやら1,200円のときのようなネット回線を使った通話ではなく、ちゃんとした電話回線を使って電話できるようです。当然、SMSも使うことができます。

 音質については、恐らくですがドコモの携帯電話と同じレベルの音質があるのではないでしょうか。

 あと、OCNのサイトで大きく宣伝されていることですが、どうやら前の携帯番号をそのまま引き継げるみたいです。私自身、050番号に変える前後でたくさんの知人に迷惑をかけたので、これはとても魅力的に思えました。

 このように、1,200円のときの問題点をほとんど払拭してくれる音声対応つきSIMですが、その分、1,200円のときにはなかったしがらみがつくようです。

 通常のSIMカードのときは、契約をいつでも切ることができました。その月の料金さえ払えば違約金を取られることはなく、この自由さこそが、SIMフリーの良さでもありました。

 しかし音声対応SIMには、半年間という決められた期間が存在します。中途半端な月に契約を解除してしまうと、違約金8,000円(MNP転出なら更に3,300円)を払わなくてはなりません。(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/voice/charge02/#vc_penalty

 とは言え、普通の携帯の契約なら2年契約がザラなところを半年間ですし、そもそも月々の料金が1,600円なので、お得なことには変わりないだろうと思われます。


⇒ 2,000円+通話料の場合


 携帯を2台持ちする場合です。

 簡単に説明すると、1台はSIMフリーのスマートフォンで、900円のパケット通信のみを契約します。もう1台は、au、SoftBank、docomoなどでガラケーを入手して、こちらは電話とメールのみの契約をします。

 これをすることによるメリットは、一つは先述のような「メールフィルタのせいで送ったメールが相手に届かない」という現象を回避できることです。

 また、ガラケーのほうは自分の好きな携帯会社と契約できます。地域によっては「○○社の電波しか入らない」なんていうこともありますから、そんな場合にはオススメしたい手段です。

 そしてもう一つ、2台持ちにするメリットは、携帯が壊れやすい仕事場にスマートフォンを持ち込まずに済む、というものがあります。

 外でバリバリ働いていると、汗やら粉塵やら衝撃やらですぐにスマートフォンは壊れてしまいます。かと言って、連絡がいつ来るともわからないときは、携帯は手放せません。

 そこで携帯を2台持っていれば、現場に持ち込むのはガラケーだけで済みます。もちろん、ガラケーも壊れるときは壊れますが、大抵のガラケーは、スマートフォンよりは丈夫です。

 逆に2台持ちにするデメリットですが、それはもちろん、かさばることです。

 これに関しては、慣れたら気にならないらしいのですが、慣れるまではちょっとうっとうしいかもしれません。



〇 パケット通信料について


 ここまで一貫して、パケット通信料は900円ということで話を進めてきましたが、実はこれは最低料金です。パケット通信をたくさんする方は、もう少し上のコースを選んだほうが、快適に通信できます。

 詳しくはOCNのウェブサイト(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/guide/chart/)を見ていただきたいのですが、900円のコースだと、通常の通信速度で使えるのは1日70MBまでです。

 ほとんどネットをしないとか、あるいはチャットしかしないというのであれば、これでも十分です。しかし動画を見たり、アプリをいくつもダウンロードしたり、パソコンのテザリングに使ったりすると、70MBなんてあっという間に使い切ってしまいます。

 もちろん、使い切っても通信できなくなるわけではありません。ただし、かなり遅くなるので、それが我慢できないなら上のコースに乗り換えるしかありません。

 OCNで提供されている最大のコースは、月額だいたい2,000円で、1ヶ月7GBです。これより上のコースというのはOCNには存在しません。

 と、ここで皆さんに伝えておきたいことは、OCNにはターボ機能なるものが存在するということです。

 このターボ機能(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/turbo/)、OCNのマイページからオンオフの切替ができる(https://mypage.ocn.ne.jp/directLink.do?p_upflag=247)のですが、とりあえず最初はオンになっています。これをオフに切り替えると、通信速度が、パケットを使い切ったときと同じ遅さになり、その代わりに通信残量が減りません。

 これがどう活用できるかと言いますと、例えば普段ウェブで検索するときはオンにしておいて、動画やアプリをダウンロードするときだけオフにする、といった使い方ができます。こうすれば、1日70MBでも十分に足ります。

 ただし、ダウンロードするアプリによっては通信速度が遅すぎてダウンロードできないことも……。いろいろ試行錯誤してみてください。



〇 初期費用と初期登録について


 携帯本体を準備するために、いくらかお金が必要な方が多いと思いますが、それ以外にも、OCNモバイルONEで契約するためには初期費用が必要となります。

 それは、SIMカードの費用です。

 SIMカードは、ヤフーショッピングなどのネットショッピングで購入することができます。OCNにも案内がありますので、参考にしてください(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/apply_new/)。どこで買うかで多少価格は変動しますが、大体3,000円ほどになります。

 SIMカードが入手できたら、次はOCNのウェブページ
で初期登録をしましょう。案内に沿って必要事項を入力するだけですから、それほど難しくはありません。(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/howto/

 ちなみにこのときは、まだSIMカードは使えません。そのため、初期登録するためには、携帯とは別のネット環境(できればパソコン)が必須となります。

 ご家庭にネット環境がない方は、その点を特に留意しておいてください。



〇 パケット通信の分け合いについて


 あまり宣伝されていませんが、OCNではパケット通信を分け合うことができます。OCNではこれを、複数契約と呼んでいます。(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/procedure/

 例えば、家族ですでに1人OCNと契約している人がいて、さらに追加で誰かが契約しようという場合、今払っている料金に月々500円ほど上乗せするだけで、複数契約ができます。

 しかしこの契約には、2つ問題があります。

 一つは、SIMカードそのものの値段は初期費用として払わなくてはいけないこと。

 そして何よりも問題となるのは、複数契約しても通信できる量は変わらないということです。

 仮に元々900円70MBのコースだったなら、複数契約で2人になれば、月々1,400円で、使える量は2人合わせて70MBだけということになります。単純に通信できる量だけ見れば、損をしています。

 しかし滅多にパケット通信しない人であれば、500円で携帯が使えるのですから、非常に割安です。家族がおられる方は、一度検討されてみてはいかがでしょうか。


  * *


 以上、OCNモバイルONEについて、簡単に説明させていただきました。

 OCNのサポートや体制は、日を追うごとに進歩しています。ここに書かせていただいたことも、数ヶ月後には変わっているかもしれません。

 そういった理由で、もし間違いなどが見つかった場合は、コメントなどから知らせていただけると助かります。

 ただ最初にも言いましたが、「間違っていたから責任を取ってほしい」なんていう話になりますと……すみませんが、私には責任が取れません。

 改めて、購入や契約は、すべて自己責任でお願いします。

2014年8月10日日曜日

スマホをパケ放題のまま月額1,200円にできた(HTCJ ISW13HT)

【注意!】
 ここに記載したことを参考にして何か損害が発生しても、著者は一切責任を負いません。すべて自己責任でお願いします。



 皆さん、お久しぶりです。泉野です。

 つい先日、auスマホのSIMロック解除に成功し、料金を月々7,500円から1,200円まで下げることができました。

 今回の記事は、この「SIMロック解除」について書きたいと思います。

 ただ私は専門家ではないため、あくまでも体験談のような形で書いていきたいと思います。

 また今回の記事は、他のページを参考にしながら進んでいきますので、この記事単独ではとても理解しにくいものとなっています。ご了承ください。



【使用したもの】
携帯本体
パソコン
SIMカード
膨大な時間



携帯本体のスペック(作業開始前)
・電話名 HTC J
・型式 ISW13HT
・パージョン 2.06.970.4

パソコンのスペック
・WindowsXP
・セットアップしてからほとんど何もダウンロードしていない
・かなり古い
・CPUとかよくわからない
・ネット環境は当然ある

SIMカード詳細
・OCNモバイルONE(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/
・送料を含めると大体3,000円
・携帯のSIMロック解除が終わってから購入した

膨大な時間の内訳
・事前調査で20時間
・SIMロック解除で約20時間
・諸々の手続きで約10時間
・合わせて大体50時間(感覚的にはもっと長かった気がします)

私自身のスペック
・パソコンの知識は、Office関係の知識のみ
・コマンドプロンプトとか今回初めて触った
・もちろん携帯のシステムをパソコンから弄るのも今回が初めて
・ネットで調べ物をするのは慣れている



【注意点】※ 重要な部分ですので、すべて目を通してください。

・最初にも書きましたが、何か損害が発生しても著者は一切責任を負いません。すべて自己責任でお願いします。

・最悪の場合、携帯本体がまったく反応しなくなることもあり得ます。ドブに捨てるつもりで事に臨んでください。

・途中、パソコンのシステム環境設定を弄る必要があるので、そこで操作を失敗するとパソコンが壊れるかもしれません

携帯のデータは間違いなくすべて消えます。作業前にどうにかして別の場所にコピーしておいてください。
(ちなみに著者はこれをしていなかったので、データがすべて消えました。アドレスも消えました)

・携帯のバッテリーがかなり傷みます。作業中に携帯がかなり熱くなるからです。
 2つ以上バッテリーを持っている方は、古いほうのバッテリーを付けておいてください。

auのサポートは受けられなくなります。携帯本体が壊れても、修理してもらえません。
(この辺り、私自身はあまり調べていないので、気になる方は自分で調べてください)

・今回の改造は、機種がHTCJだったからこそ成功したとも言えます。他の機種でSIMロック解除しようとしている方には、この記事は多分参考になりません。

・最初に月額1,200円と書きましたが、当然7,500円の時にはなかった制約があります。そこまで理解した上で、作業に取り掛かってください。

・注意点というより余談ですが、自分でSIMロック解除しなくても、そのうち何とかなるという噂を聞いたことがあります。
(参考:http://moneyreport.hatenablog.com/entry/2014/04/22/134925





【事前調査】

 実際に作業に取り掛かる前に、事前調査をしました。ほとんどがネットでの調査です。

 「SIMフリーとは」で検索すると、有用な情報にありつけました。



 ここから先は、特に大事なポイントだけ解説します。



・auのロッククリアは、docomoのロック解除とは別物


 auショップで2,100円払えばロッククリアできる、という話がありますが、あれはauのSIMカードを別のau携帯に差し替えたい時にすることです。
 auショップでロッククリアしても、auの携帯にau以外のSIMカードを差すことはできません。

 そもそもISW13HTは、そういう意味ではもともとロックがかかっていないので、ISW13HTに差したSIMカードを別のau携帯に差すこともできるはずです。


 一方、docomoで行っているロック解除は、docomo以外のSIMカードを携帯本体に差せるようにするものです。ただ、保証などはつきませんが。
(参考:https://www.nttdocomo.co.jp/support/procedure/simcard/unlock_dcm/

 こちらは、docomoの携帯しかロック解除してもらえません。つまり現状ではauやSoftbankをロック解除してくれる公式な場所はないのです。

 ならそれを自分でしてしまおうというのが、今回の記事の内容になります。



・SIMロック解除できなければ白ロムを買うという手も


 私は最初、auの携帯をロック解除するという発想がなかったので、オークションでSIMフリーの携帯(通称白ロム)を購入するつもりでした。

 私が調べた範囲だと、携帯本体は安くても10,000円以上。

 これを払うのが惜しかったので、今手元にあるau携帯を流用することにしました。



・HTCJはSIMフリーにしても意味がない?


 HTCJをSIMフリーにしても、電波が合わないから(3GとLTEは違うから)他のSIMカードを差しても通信できない、という話を聞きました。

 しかし現に成功したので、この話は無視しても良さそうです。

 インストールしたカスタムROMのおかげだと思っています。



・auを解約すると違約金が発生する


 これはあまりSIMロック解除は関係ない話かも知れません。

 SIMロックを解除してカードを差し替えるということは、当然auは解約します。
 電話専用で残しておくのもいいですが、それだと月額1,200円にはなりません。

 auを解約する時、普通に解約すると違約金として10,000円ほど支払うことになります。
 これを回避する為には、解約する月を選ばなくてはいけません。
(参考:http://www.p0.x0.com/blog/b0049.php

 また、機種代金が払いきれていない場合は、それも払わなくてはいけません。

 解約する前と解約した後では、その機種代金が大幅に変わる場合がほとんどです。SIMロック解除する前に、一度auショップでその辺りを確認しておいてください。





【パソコンの環境を調える】

 SIMロック解除について調べて手順も理解し、どうやらHTCJで上手くいきそうだと確信した段階で、パソコンに諸々のソフトをインストールしました。

 実際には、後から必要だと気づいてダウンロードしたものもあるのですが、ここではまとめて紹介します。



・GoogleChromehttps://support.google.com/chrome/answer/95346?hl=ja

 私が使ったパソコンは初期状態からほとんど何もインストールしていなかったので、インターネットブラウザも初期状態のままでした。

 ブラウザが古すぎてダウンロードできないことがあったので、GoogleChromeをインストールしました。



・Lhaplushttp://lhaplus.softonic.jp/

 圧縮解凍ソフトです。拡張子がrarのファイルは、これがないと開けません。
 ファイルが開けないからって、ウイルスまがいのソフトをダウンロードしてはいけません。Fi××Op××××とか。



・Stirlinghttp://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se079072.html

 バイナリエディタです。携帯のシステム情報を書き換えるのに使用しました。

 バイナリエディタなら何でもいいのですが、私の場合、とりあえず目についたのでStirlingをダウンロードしました。

 使い方をマスターする必要はありません。開いて、上書きができればそれで十分です。
(Stirlingの使い方:http://members2.jcom.home.ne.jp/hrs23/sl/be_08.html



・AndroidSDKhttps://developer.android.com/sdk/index.html

 Androidの携帯にパソコンから命令を送る為には、これが必要です。

 ダウンロードからインストールまでかなり面倒です。



 基本的にはこちらの画面を参考にしながら行います。
http://www.javadrive.jp/android/install/index1.html



 私の場合、ダウンロードまではできたのですが、なぜかインストールが正常にできませんでした。

 そこで、ダウンロードしたファイルの中の「SDK Manager.exe」をダブルクリックして、SDKマネージャーを開きました。



 マネージャーを開いてライブラリをインストールしようとすると、それも上手くいきませんでした。

 どうも、すべて一度にインストールしようとすると上手くいかないらしいので、個別に一つ一つインストールしました。



 最後にAndroidのバージョンをインストールする段階で、上記のページには「任意で」と書かれていて、少し悩みました。

 とりあえず携帯の「設定」から「ソフトウェア情報」を見て自分の携帯のバージョンが4.0.4だということまではわかったのですが、マネージャーの中には4.0.4がないので、一番番号が近い4.0.3をインストールしておきました。



 で、すべてが終わってこれで問題ないと思ったのですが、実はまだ終わってませんでした。

 システム設定をしないといけなかったんです。きっと、インストール手順を端折ったせいでしょうね。

 設定については、こちらのページを参考にしてください。
http://wghost.org/it/android/android-adb-shell-usb/

 ただし、「8.変数値の最後の部分に「android-sdk」を置いた場所を書き込む」という部分だけ、この通りにしてはいけません。
 「;C:\android-sdk\tools」ではなく、「;C:\android-sdk\sdk\platform-tools」と入力します。

 なぜこうしないといけないのかと言いますと、AndroidSDKの更新によりファイルの場所が変わっているからです。
 何にしても、「tools」ファイルがある位置を指定すればいいみたいです。



 AndroidSDKのインストールは、以上で終了です。





【携帯をroot化する】

 ここからはいよいよ携帯とパソコンをつないでの作業に入ります。

 このページを参考にします。(http://www.warock.biz/archives/3963235.html
 というか、今回の記事はほとんどこのページに沿って進んでいるとも言えます。



 ページの上のほうから順番に、私が失敗したことや悩んだことを書いていきます。

 太文字部分は、ページからの引用です。



接続すると端末がストレージとして認識される



 私はされませんでした。2つとも、リムーバブルディスクでした。

 しかし特に問題はありませんでした。



「su.zip」というファイルを端末のストレージにコピー



 2つともリムーバブルディスクなので、どちらに入れたらいいのかわかりませんでした。

 とりあえず、両方に入れておきました。



「link failed File exists」が流れている間にrunme2.batを実行する



 ここ、文字がすごいスピードで流れるので、少し焦ります。

 でも焦る必要はないみたいです。試しに文字が流れてる状態で20分ぐらい放置しましたが、別にフリーズしたりしませんでした。

 ここに限らず、rootkitを使うときは基本的に焦ってはいけません。

 例えば携帯が再起動すると、パソコンに携帯が認識されるまで時間がかかります。
 ここで認識される前にコマンドを進めてしまうと、上手くいかないのではないかと、私は思っています。



Unlockコードのトークンが表示される



 ここで私の場合、CIDが11111111になっていませんでした。KDDI_801でした。

 このままアンロックに進んでも、うまくいきませんでした。



 それで調べてみると、どうもソフトウェアバージョンが2.06.970.4であることが原因みたいです。

 このバージョンはCIDを変えられないように対策がしてあるので、バージョンを下げる必要があります。





【HTCJのソフトウェアバージョンを下げる】

 バージョンを下げるには、こちらのページを参考にして行いました。
http://htcsoku.info/htcsokudev-news/au-valente-s-off-root-newest-2069704/



 とりあえず携帯がブート画面(白背景に英語)になっているのを元に戻したいと思ったのですが、方法がわかりませんでした。

 仕方がないので、FACTORY RESET(工場出荷状態に戻す)しました。
 当然、データはすべて消えました。



 元に戻ったら、先のページを参考にしてバージョンを下げます。

 しかしここで、「cmdを起動し」という言葉の意味がわかりませんでした。



 調べてみてようやく、コマンドプロンプトを起動するという意味だとわかりました。

 「スタート」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「コマンドプロンプト」で起動できます。



 最初に表示される文字は無視してもいいみたいです。

 実行したい文字を一行だけ(adb shellとか)入力します。コピーして、右クリックで貼り付けでも構いません。

 入力したらEnterキーを押します。するとコマンドが実行されます。



 私が最初にこれをした時は、コマンドが実行されませんでした。

 代わりに「'adb.shell' は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません」という文字が出てきました。

 これはAndroidSDKのインストールやシステム設定がしっかりできていないのが原因でした。



 次に悩んだのは、「バイナリエディタで編集」という部分です。

 このバイナリエディタというのは、Stirling(http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se079072.html)のことです。

 開くときは、まずStirlingを開いて、メニューバーの「ファイル」→「開く」で「mmcblk0p23」を開いてください。



 そしていよいよRUUを適用する段階で、また別のページを参考にすることになります。
http://htcsoku.info/htcsokudev/rudimentary-knowledge/ruu/



 ここでは、fastbootをダウンロードしていないといけません。

 fastbootをダウンロードする専用のページは見つけられませんでしたが、幸いにもHTCdevのアンロック手続きをする途中(http://htcdev.com/bootloader/)でダウンロードできました。



 このページではまずアカウントを作らないといけないのですが、英語なのでなかなか難航しました。

 パスワードに数字を入れないのは日本でもよくあることですが、大文字の英字を入れないといけないのは初めてでした。



 「ISW13HTのroot化、アンロック、S-OFF、SIMフリー化まで(http://www.warock.biz/archives/3963235.html)」を参考にしながらアンロックの手続きを進めると、途中でfastbootをダウンロードできるようになっています。



 ここでダウンロードしてそれでOKかと思いきや、AndroidSDKと同じく、システム設定しないといけないみたいです。

 AndroidSDKの時と同じように、http://wghost.org/it/android/android-adb-shell-usb/このページを参考にして設定をします。

 変数値は、前の続きに入力するので、最終的には「(最初期値);C:\android-sdk\sdk\platform-tools;C:\fastboot-win」となります。



 準備が終わって、いよいよRUUを適用します。
http://htcsoku.info/htcsokudev/rudimentary-knowledge/ruu/


 私は最初、「PCで手動で行う方法」をしました。

 rom.zipを取り出す方法が少し難しかったのですが、http://www.warock.biz/archives/3963235.htmlこちらの下のほうに書かれた説明も読みながらすれば、なんとかできました。

 そうして間違いなく完了したのですが、なぜかバージョンは下がっていませんでした。



 次は「本体でSDカード(外部メモリ)から直接RUUを行う方法」をしました。

 こちらもしっかり正しい手順でしたと思うのですが、なぜかバージョンは下がりませんでした。



 最後に駄目元で、「PCでソフトウェアを立ち上げ、指示に従う方法」をしました。

 古い電池のままだと電池不足で進んでくれなかったので、この時だけ新しい電池に交換しました。

 とても時間がかかってウンザリしましたが、終わってみるとちゃんとバージョンが下がっていました。駄目元だっただけに、かなり驚きました。





【携帯のSIMフリー化】

 バージョンが下がったところで、またHTCJrootkitに戻って作業を続けます。今度こそCIDが11111111に変更されました。



 アンロックの手続きも、バージョンダウンする中で既にアカウントが作ってあったので、難しくありませんでした。

 唯一、コマンドプロンプトからトークンをコピーするのが、少しだけ悩みました。
 右クリックで範囲選択してCtrl+C、で、手順としては合っていると思うのですが、なぜかコピーできるときとできないときがあります。



 そのあとはしばらく問題なく進みました。アンロックも成功しました。

 しかし本来なら再起動を繰り返すところで、繰り返すどころか落ちっ放しになってしまった辺りから、おかしくなってしまいました。



 最終的に、再起動を繰り返すということはしていません。

 しかしこの頃には、HTCJrootkitのbatファイルが、コマンドプロンプトと同じような仕組みで動いていることはわかっていました。

 また、batファイルを右クリックして「編集」を選択すると中身が見られることもわかってましたし、テキストファイルの拡張子をtxtからbatに変更すればbatファイルに変更できることもわかっていました。



 具体的に何をしたかと言いますと、

①runme2を編集で開く

②前後の文章から、それぞれのコマンドが何をしているのかを考える

③必要なコマンドをコピーする

④HTCJrootkitのフォルダの中にテキストファイルを新規作成する

⑤テキストファイルを開いて、コピーしたコマンドを貼り付ける

⑥テキストファイルの拡張子をbatに変更する

⑦閉じてから、ダブルクリックして実行する



 普通にコマンドプロンプトで実行すると、上手くいきません。
 どうやらHTCJrootkitのフォルダの中でbatファイルを作って実行しないと、上手くいかないようです。

 また、これまで参考にしてきたページにも色々なコマンドが掲載されていました。
 これらを使えば、あとはrunme2を使わなくてもできそうな気がしました。

 そして実際に、できました。



 そんな感じでカスタムリカバリーモードにして……と、ここでまた問題がありました。

 電源ボタンを押しても、決定されないのです。

 しかし「ISW13HTのroot化、アンロック、S-OFF、SIMフリー化まで(http://www.warock.biz/archives/3963235.html)」のページをよくよく確認してみると、ちゃんと「ホームボタンで決定」と書いてありました。

 どうやら電源ボタンは、戻るボタンに設定されているようです。



 ここまでくればほとんどSIMフリー化できたようなものなのですが、ここでつい勇み足になってしまって、ちょっとした失敗をしました。

 香港版のカスタムROMをインストールしたあと、再起動せずにWCDMA Enablerをインストールしてしまったのです。

 当然うまく行かずに、また工場出荷状態に戻さないといけなくなりました。

 やっぱり、ちゃんと一回一回再起動しないといけませんね。





【SIMカード購入】

 私は、SIMフリー化が終わってからSIMカードを購入しました。

 SIMカードは1枚3,000円もしますし、SIMフリー化に成功する自信がなかったので、購入できなかったんです。



 ちなみに、ヤフーショッピングでOCNのカードを購入しました。

 SIMカードそのものの値段は2,500円で、代金振込み手数料が大体500円でした。
 クレジットカードだと手数料はかからなかったのかもしれませんが、私はその辺はよくわかりません。



 SIMカードを選ぶとき、標準SIMなのかマイクロSIMなのかわからなかったので、このページ(http://tsu-shin.tiki.ne.jp/tikitiki/2013/07/sim-5eaf.html)を見ながら、カードを物差しで測って確認しました。

 ISW13HTは標準SIMみたいです。



 先にも少し触れましたが、料金支払い方法は、銀行振込みを選びました。
 購入手続きをしたのが土曜日だったせいか、振込先を教えてくれるメールがなかなか来なくてヤキモキしました。

 手続きしたのを1日目とすると、振込先を書いたメールが来たのが3日目の夜。
 4日目に銀行で振込みをして、SIMカードが届いたのは10日目でした。

 メール便ですから別に遅くはないのですが、少しでも早く試したいと思っていた私にとっては長い時間でした。





【OCNのSIMカード利用申込みと050plus】


 ここまで触れていませんでしたが、私がOCNを選んだ理由をここで書いておきます。

 と言ってもそこまで深い理由はないのです。ただ、ウェブページ(http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/)がわかりやすくて、信用ができると思ったので、選びました。

 あとから考えると、もっと安くSIMカードを提供してくれる会社もあったのではないかと思うのですが、今更ですし、調べるつもりはありません。



 申込み手続きはパソコンからするのですが、ウェブページがわかりやすいだけあって、手続きもわかりやすかったです。



 ただ、申込みの段になって、色々な同時契約ができることを知ってしまったせいでとても焦りました。

 セキュリティ関係の契約などが色々あったのですが、私はほとんど契約しませんでした。
 安くしたくてSIMフリーにしたので、少しでもお金がかかることはしたくなかったんです。



 唯一私が契約したのは、050plus(http://050plus.com/lp/lp_pc/01/?wapr=53e7634b)です。

 LINEのようにモバイルネットワーク(パケット)を使って電話ができるアプリなのですが、LINEと違うのは、専用の電話番号が貰えることです。

 つまり固定電話やガラケーなどからも電話ができるのです。



 これを知る前は、ガラケー(au)とSIMフリー機の2台持ちを考えていました。

 しかしそれだとガラケーで1,000円、SIMフリーで900円(多分)かかるので、1,900円かかります。



 050plusとOCNの同時契約なら、SIMフリー機が900円、050plusが300円で、そこに150円の割引があるので、1,050+税+電話代、という価格になります。

 この電話代というのも、今まで使っていたauの電話料金に比べたら、約半分です。



 050plusのデメリットとしては、まずSMS(Cメール)が使えないこと。

 このせいで、LINEのアカウントを作るときに苦労しました。
 最初はfacebookで登録しようとしたのですが、あとで認証番号を電話で読み上げてくれる機能があることを知って、なんとか普通に登録ができました。



 あともう一つ、050plusは音質が悪いらしいのです。

 私はまだあまり使っていないので実感は沸かないのですが、ウェブで調べたところ、LINEよりも音質が悪いということでした。

 私の周りの人たちはほとんどの人がLINEを使っているので、メインはLINE電話で、それができない時だけ050plusを使うことにしています。



 話が050plusのことに偏りましたが、ここでまたOCNの契約の話に戻ります。



 申込みをする前、月々の料金支払い方法でゆうちょからの支払いができるという情報を得ていました。

 しかし契約のとき、実際に申込みフォームを見てみると、クレジットカードからの支払いしかありませんでした。

 私はクレジットカードを持っていないので、仕方なく家族からカードを借りて契約しました。

 契約が終わってからもう一度調べると、どうやらクレジットカードで一度契約してから、あとで書類を出してゆうちょに変更しないといけないみたいです。

 どうしてこんな面倒なことになっているのかわかりません。
 あるいは私の調査不足かもしれませんが、そこは皆さんにも改めて調べてほしいところです。



【携帯にアクセスポイントを作成する】

 契約が終わって、いよいよSIMカードを携帯に入れたのですが……

 「ISW13HTのroot化、アンロック、S-OFF、SIMフリー化まで(http://www.warock.biz/archives/3963235.html)」では、ここで「NTT DOCOMOと表示されました」と書いてあります。

 しかし私の場合は表示されませんでした。

 結局最後まで表示されませんでしたが、問題なく通信はできました。

 思うに、あのページで使われていたDTIのSeversman SIM LTEではなく、OCNモバイルONEのカードを使ったから、DOCOMOの表示がなかったのではないでしょうか。



 アクセスポイントの設定は、OCNの場合はこうなります。

名前:任意(私はocnと付けました)
APN:lte-d.ocn.ne.jp
ユーザー名:mobileid@ocn
パスワード:mobile
MMSプロトコル:WAP 2.0
MCC:440
MNC:10
認証タイプ:CHAP

 あとは、未設定のままで大丈夫です。
(参考:http://tech.support.ntt.com/ocn/mobile/one/



【Simejiをダウンロード】

 この手順でSIMフリーにした携帯は、文字入力方法がアルファベットになっています。
 日本語の入力ができないので、入力用のアプリをインストールする必要があります。

 私がダウンロードしたのは、「Simeji」です。
 ダウンロードするのは、もちろん携帯電話でダウンロードします。





 SIMフリー化に関しての記事は、以上です。